愛すべき吸血鬼達２

愛すべき吸血鬼達２

	マグナス伯爵出典：『マグナス伯爵』（1904）　M・R・ジェイムズ著スウェーデン貴族だが、実際に姿を現すことは無い。物語は、語り手が英国の旅人ラクソールの手記を読み進める形となっている。生前の生立ちが不穏なマグナス伯爵の墓をラクソールが調査していた処、棺の蓋が開き出す。咄嗟、ラクソールは逃げ出すが、謎の人物に付け回されてしまう。
	不知火検校出典：『髑髏検校』（1939）　横溝正史著日本オリジナルの吸血鬼の一人。大まかなストーリーはブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を倫敦から江戸に置き換えた展開。将軍家の姫君（ルーシー）を不知火検校（ドラキュラ）から救おうとする琴絵（ミナ）達の活躍を描く。しかし姫君は不知火検校に襲われ、吸血鬼となる。不知火検校は滅ぼされるが、彼の招待は幕府転覆を狙う天草四郎だった。以後、日本では天草四郎を吸血鬼の題材ににした作品が多く生まれる。
	ロバート・ウォラム＆リーサ出典：『生ける亡者の死』（1948）　E・エヴォレット・エヴァンズ著若いカップル。好奇心で忍び込んだ古い城の城主ヘンツィック卿に捕えられ、吸血鬼にされてしまう。だが、「大地の精霊」から大きな力を得て、ヘンツィック卿を倒す。しかし、嵐の日に倒れてきた大木の枝にリーサは串刺しになり、ロバートもまた、自分と彼女の遺体に火を放ち、この世を去る。
	ジュールス出典：『血の末裔』（1951）　リチャード・マシスン著生まれながらにして異端な存在の少年ジュールスが、ある時ドラキュラ映画を観て「感銘」を受ける。吸血鬼に強い羨望を抱く彼は、学校の作文でも「吸血鬼になりたい」と強く誇示し、その異常性が明るみになっていく。動物園で大蝙蝠の姿を見た彼は「何か」を感じ取るのだった。この短編は漫画家水木しげる氏が漫画で発表したことでも有名。読み比べると、細かい台詞まで訳者仁賀克雄氏の表現と一緒である。
	カート・バーロー（左）出典：『呪われた町』（1974）　スティーブン・キング著セイラムズ・ロットで骨董家具店を経営。一つの町を吸血鬼化させた。フランシー・ラムリィ（中）出典：『<ジェルサレムズ・ロット>の怪』（1977）　スティーブン・キング著『呪われた町』の後日談。両親が吸血鬼化し、娘フランシーもまた訪れる犠牲者を待っている。コンラッド・バルカン（右）出典：『奴らは渇いている』（1981）　ロバート・R・マキャモン著外見だけは17歳の男。ロサンジェルス征服を企む元ハンガリー公爵の後継者。
	ルイ・ド・ポワント・デュラック（右上）、マドレーヌ（左上）、クロウディア（中）、アルマン（右下）、レスタト・ド・リオンコート（左下）出典：『夜明けのヴァンパイア』（1976）　アン・ライス著悲劇の青年ルイがレスタトによって吸血鬼になり、自身の生涯をインタヴュアーに語っていく物語。苦悩する吸血鬼の心情を描いた魅惑的な作品。映画化もされ、配役のこともあるが日本でのファンも多い。余談だが、フジテレビ系の吹替え版ではレスタト役を江原正士氏（『アングリービーバーズ』のノーバート）が演じている。
	サン・ジェルマン伯爵出典：『ホテル・トランシルヴァニア』（1978）　チェルシー・クイン・ヤーブロ著実在の人物ラコッツィー・サン・ジェルマン伯爵をモデルとしている。実在のサン・ジェルマン伯爵も怪しげだが、吸血鬼だったかどうかは不明。物語はサン・ジェルマンの様々な時代、国においての冒険活劇といった処。悪の教団から救い出したマドレーヌという恋人がいる。
	ミリアム・ブレイロック（右）出典：『ハンガー』（1981）　ホイットリー・ストリーバー著恋人を失った後、彼女は代わりを捜し始め、不死の研究をしている女医を誘惑する。ミリアムは自分自身を研究材料として提供し、彼女を永遠の生命へと引き込んでいく。ソーニャ・ブルー（左）出典：『ミッドナイト・ブルー』（1995）　ナンシー・A・コリンズ著アメリカの大富豪の娘。旅行先の英国でモーガンという吸血鬼に襲われ、その後彼女の数奇な運命が始まる。ブラム・ストーカー賞受賞作品。
	ジョシュア・ヨーク（右）ダモン・ジュリアン（左）出典：『フィーヴァードリーム』（1982）　G・R・R・マーティン著大富豪ジョシュア・ヨークは壮麗な蒸気船「フィーヴァードリーム号」を建造する。ミシシッピー河領域に散在する吸血鬼を統合し人間との平和的共生を大望する。しかし、邪悪な吸血鬼ダモン・ジュリアンに邪魔される。ジョシュアと人間アブナーとの友情も見所の一つ。
	ジュヌヴィエーヴ・サンドリン・ド・リール・デュドネ出典：『ドラキュラ紀元』（1992）　キム・ニューマン著ドラキュラがヘルシング教授らを破り、吸血鬼達によって統治される英国。その倫敦で生きる吸血鬼貴族シャンダニャック伯爵の娘。年は500年以上。諜報員のボウルガードと共に、切り裂きジャックによる吸血鬼娼婦の連続猟奇殺人事件を追う。「もしドラキュラが勝っていたら」という歴史的「if」を可能にした作品。

	マグナス伯爵出典：『マグナス伯爵』（1904）　M・R・ジェイムズ著スウェーデン貴族だが、実際に姿を現すことは無い。物語は、語り手が英国の旅人ラクソールの手記を読み進める形となっている。生前の生立ちが不穏なマグナス伯爵の墓をラクソールが調査していた処、棺の蓋が開き出す。咄嗟、ラクソールは逃げ出すが、謎の人物に付け回されてしまう。
	不知火検校出典：『髑髏検校』（1939）　横溝正史著日本オリジナルの吸血鬼の一人。大まかなストーリーはブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を倫敦から江戸に置き換えた展開。将軍家の姫君（ルーシー）を不知火検校（ドラキュラ）から救おうとする琴絵（ミナ）達の活躍を描く。しかし姫君は不知火検校に襲われ、吸血鬼となる。不知火検校は滅ぼされるが、彼の招待は幕府転覆を狙う天草四郎だった。以後、日本では天草四郎を吸血鬼の題材ににした作品が多く生まれる。
	ロバート・ウォラム＆リーサ出典：『生ける亡者の死』（1948）　E・エヴォレット・エヴァンズ著若いカップル。好奇心で忍び込んだ古い城の城主ヘンツィック卿に捕えられ、吸血鬼にされてしまう。だが、「大地の精霊」から大きな力を得て、ヘンツィック卿を倒す。しかし、嵐の日に倒れてきた大木の枝にリーサは串刺しになり、ロバートもまた、自分と彼女の遺体に火を放ち、この世を去る。
	ジュールス出典：『血の末裔』（1951）　リチャード・マシスン著生まれながらにして異端な存在の少年ジュールスが、ある時ドラキュラ映画を観て「感銘」を受ける。吸血鬼に強い羨望を抱く彼は、学校の作文でも「吸血鬼になりたい」と強く誇示し、その異常性が明るみになっていく。動物園で大蝙蝠の姿を見た彼は「何か」を感じ取るのだった。この短編は漫画家水木しげる氏が漫画で発表したことでも有名。読み比べると、細かい台詞まで訳者仁賀克雄氏の表現と一緒である。
	カート・バーロー（左）出典：『呪われた町』（1974）　スティーブン・キング著セイラムズ・ロットで骨董家具店を経営。一つの町を吸血鬼化させた。フランシー・ラムリィ（中）出典：『<ジェルサレムズ・ロット>の怪』（1977）　スティーブン・キング著『呪われた町』の後日談。両親が吸血鬼化し、娘フランシーもまた訪れる犠牲者を待っている。コンラッド・バルカン（右）出典：『奴らは渇いている』（1981）　ロバート・R・マキャモン著外見だけは17歳の男。ロサンジェルス征服を企む元ハンガリー公爵の後継者。
	ルイ・ド・ポワント・デュラック（右上）、マドレーヌ（左上）、クロウディア（中）、アルマン（右下）、レスタト・ド・リオンコート（左下）出典：『夜明けのヴァンパイア』（1976）　アン・ライス著悲劇の青年ルイがレスタトによって吸血鬼になり、自身の生涯をインタヴュアーに語っていく物語。苦悩する吸血鬼の心情を描いた魅惑的な作品。映画化もされ、配役のこともあるが日本でのファンも多い。余談だが、フジテレビ系の吹替え版ではレスタト役を江原正士氏（『アングリービーバーズ』のノーバート）が演じている。
	サン・ジェルマン伯爵出典：『ホテル・トランシルヴァニア』（1978）　チェルシー・クイン・ヤーブロ著実在の人物ラコッツィー・サン・ジェルマン伯爵をモデルとしている。実在のサン・ジェルマン伯爵も怪しげだが、吸血鬼だったかどうかは不明。物語はサン・ジェルマンの様々な時代、国においての冒険活劇といった処。悪の教団から救い出したマドレーヌという恋人がいる。
	ミリアム・ブレイロック（右）出典：『ハンガー』（1981）　ホイットリー・ストリーバー著恋人を失った後、彼女は代わりを捜し始め、不死の研究をしている女医を誘惑する。ミリアムは自分自身を研究材料として提供し、彼女を永遠の生命へと引き込んでいく。ソーニャ・ブルー（左）出典：『ミッドナイト・ブルー』（1995）　ナンシー・A・コリンズ著アメリカの大富豪の娘。旅行先の英国でモーガンという吸血鬼に襲われ、その後彼女の数奇な運命が始まる。ブラム・ストーカー賞受賞作品。
	ジョシュア・ヨーク（右）ダモン・ジュリアン（左）出典：『フィーヴァードリーム』（1982）　G・R・R・マーティン著大富豪ジョシュア・ヨークは壮麗な蒸気船「フィーヴァードリーム号」を建造する。ミシシッピー河領域に散在する吸血鬼を統合し人間との平和的共生を大望する。しかし、邪悪な吸血鬼ダモン・ジュリアンに邪魔される。ジョシュアと人間アブナーとの友情も見所の一つ。
	ジュヌヴィエーヴ・サンドリン・ド・リール・デュドネ出典：『ドラキュラ紀元』（1992）　キム・ニューマン著ドラキュラがヘルシング教授らを破り、吸血鬼達によって統治される英国。その倫敦で生きる吸血鬼貴族シャンダニャック伯爵の娘。年は500年以上。諜報員のボウルガードと共に、切り裂きジャックによる吸血鬼娼婦の連続猟奇殺人事件を追う。「もしドラキュラが勝っていたら」という歴史的「if」を可能にした作品。